情を騙るなというけれど

鉄は熱いうちに打つ

NEXT黒バスは死んだんだ。いくら呼んでも帰っては来ないんだ+α

とは言いすぎですけれども。ざっと読んでから数週間フラッシュバック現象に苦しんでいるので人生と向き合うために考えを整理せずに書き連ねます。ほぼすべての方が不快に感じるかと思いますので少しでも危機を感じたらこの先は読まないでください。

 

黒子のバスケ EXTRA GAMEとはWCの後日談です。アメリカ人vsキセキの世代+かがみん+黒子のドリームチームがひたすらバヌケを展開させるというストーリーです。NEXTなのでまだ6話ですが、一話ごとに重量級の打撃を加えてくるので濃密さが半端ないです。アメリカ人はサル以外に罵声の幅を増やしてくれ。

そもそもこのNEXT黒バスの何が私を殴りつけるのかと言うと、「友情」「努力」を圧倒的な才能が潰していくストーリーなんです。一話では、いきなり今まで一年間ともに戦ってきた(あるいは良きライバル関係にいた)先輩方がアメリカ人に完膚なきまでに敗北します。アバンでです。序章です。そしてそれから今までの試合は、ひたすらキセキとアメリカ人の戦いなんです。それぞれの学校の先輩やチームメイトは、コートに立つことすら許されていません。

私が黒子のバスケで一番好きだった部分は、「才能によってバラバラになったキセキのメンバー達が、それぞれの高校で新しい絆を得ていく」その部分だと思います。天才は絆を壊すことしか出来ないのではない。居場所は作れるしそうして得た仲間は時に才能も凌駕する。凡人である私にはそれが希望に思えたものです。いやわかります、「それまでの絆があったから今のキセキはチームとして機能しているし、そもそも先輩達のためにアメリカ人に勝負を挑むこともなかった」というのはちゃんとわかってます。それでも、今月の展開だけは理屈や筋道抜きで八つ当たりだとしても、まず集英社のある東京方面に呪詛を送らずにはいられませんでした。

何が起こったのかを説明するのは簡単です。「緑間と赤司が空中装填式シュートを成功させた」それだけです。

まずバスケ技とは思えないこれ、緑間と彼の高校の相棒高尾のコンビ技なんです。彼らも主人公コンビと同じ「光と影」と呼ばれるほどの相棒っぷりを披露していました。中学時代間違った方向に進化してしまったキセキに違わず、緑間も初期は外さないシュートしか打たない、ボールは全て自分に集めろという才能個人主義でした。そんな彼も進学した高校の先輩達、そして高尾と関わる中で仲間を信頼しパスをすることを覚え、最終的に「空中にパスしたシュートをそのまま打つ」という外すかもしれないシュートを必殺技として扱うまでに変わっていったのです。夏は敗北後一人で雨に打たれていた緑間は冬に敗北したときは悔しそうに、しかしどこかすっきりとした顔で高尾の隣で泣いていたのは、黒バスの中でも個人的に屈指の名場面だと思っています。

その緑間が何をしたのか、説明するのは簡単です(二回目)。「赤司とぶっつけ本番で空中装填式をやってのけた」です。

いやわかってはいるんですよ!中学時代の緑間ならそんなことしないし赤司もやろうと思わない。仲間を信頼することを覚えた緑間だからこそ出来たんだ、と。でもこれは理屈じゃないというか……例えるなら跡部様が素の状態でバイキングホーンを模倣して見せた時の無力感というか……。

そしてそれを高尾は観客席で見てるんですよ!ベンチですらない、まず試合という彼らには絶対的な世界にすら参加させてもらえない解説役の場所で、高尾は自分の努力と絆が才能によって越えられる瞬間を目撃します。成功したらフクザツだけど勝つためには成功してほしい…そんな微妙な感情を高尾が語ってるその時緑間は赤司との回想で「高尾のパスは信頼してるしお前も同じくらい信頼してる」的なセリフを吐くからふてえ野郎ですよ(ごめんなさい)そして当然成功させる二人に「勘弁してほしーわ 完璧だっつーの」と呟く観客席の高尾。とりあえずいったんページを閉じて整理する時間を置いた私。あの時のじっとりした胸の冷たさが蘇るんですよここ数週間!!!

圧倒的な才能による冒涜は一話からアメリカ人が行っていたのですが、今回(冒涜ではないにしろ)キセキ側で才能が絆を凌駕する場面を見てしまい、少なからずのショックを受けました。新テニで慣れたと思ったんだけどなー!

あ、あと一つだけ。高尾が次々シュート決める緑間を見て言ったセリフ「フクザツとは言ったけどなんだろ…全然いい気分っつーか 見てるとつい笑っちまう」

これ高尾、緑間の結婚式でも言うね。

 

最近読んだ本とか映画とか

柘榴坂の仇討ち

主人を殺された武士が13年間仇を追う時代劇です。派手アクションやどんでん返しがあるわけではないのですがじわじわと主人公の絶望が伝わってくる構成で知らずひきこまれていきました。私は「復讐は何も生まないけどお前がやりきれないならするがいいさ」派(ジョジョとか照井刑事的な)の考えなんですけどだからこそ主人公の考えはやりきれなかったです。だって復讐が目的なんじゃないんだもんよ…(ネタバレ回避の曖昧な表現)明治になっても時が止まったかのようにちょんまげ和服で仇を探す主人公の姿が見終わった後でも心に残ります。あと演技がしみじみ豪華です。

ROMES

ドラマを見てから原作を読んだのでしょっぱなから砂村がまゆ子をセフレだと認識しててビビりました。あらすじはドラマと大体同じだったのですが砂村君が成嶋さんにシンパシー感じたりハルに嫉妬したり、成嶋さんも成嶋さんでお前ミス繰り返した人間とは二度と仕事しないんやなかったんかーいと思ったりで結構面白かったです、二巻を今読んでいるのですがしょっぱなから砂村君が左遷されながらも成嶋さんが迎えに来てくれることを信じてムキになっててNHK~続編作ってくれ~と思ってます。